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父の愛、母の愛

「海よりもまだ深く」の是枝監督の新聞記事を読みました。

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(父は思い通りの人生をおくれただろうか)とふとそんな思いが頭に浮かんだ。父は満州で敗戦を迎え、その後ソ連に連行されシベリアで3年近く強制労働を経験しており、それが父のその後の人生に色濃い影を落としたことは間違いない。(要約)

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と書かれています。

その後の文章を読み少し涙が出ました。

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 大学を卒業する時、テレビの仕事がしたいと言い出した僕に「もっと堅実に生きなさい」と母は猛反対をした。思いがけず、家族の中で父だけが「人生一度きりだから好きなことをやったほうがいい」と賛成してくれた。普段ほとんどアドバイスや教訓めいたことを口にしない父が何を考えてこんなことを言ったのか。今の自分には少しわかるような気がする。

 あんなに反対していた母は、嘘のように僕の作る映画のファンになり、ビデオテープを近所中に貸し出していた。逆に父は、ほとんど何も言わなかった。僕は何も聞かなかった。父が通っていたマッサージ医院に僕が写っている新聞記事を持って行き、壁に貼ってもらって嬉しそうにしていたという話を耳にしたのは、父が亡くなった後だった。

 母の愛というものは常に現在進行形で子に寄り添い、だからこそ時にうっとうしくさえ感じるが、父の愛はこんな風にいつも遅れてやってくるものなのかも知れない。

 父がなりたかった大人にはなれなかったのと同様に、僕もまたなりたかった息子にはなれなかった。そんな感情が新作の映画「海よりもまだ深く」を生んだのだろう。息子から父への愛も、やはりこんな風にいつも遅れてしまうもののようである。

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kunisann

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